。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「ほな。俺はバイト行ってくるさかい、着付け終わった頃また迎えにくるわ~。響ちゃんあと宜しゅう」


「任しといてください。おきばりやす」


戒が手を振って行って、それでもキョウスケは残っててくれるみたい。


「響輔さんの関西弁はじめて聞いた。なんか親近感~。しかも可愛い♪」


とリコが頬を赤らめる。(※関西弁と言うか京都、祗園の言葉ですね♪)


「リコちゃんは響輔の彼女なんどすか?」


大きなベッドに浴衣を広げて、鈴音姐さんがにこにこ問いかけてくる。


「か、彼女!?じゃないです。なりたいけど…」


「あらぁ。響輔は昔っから押しに弱いところがあるんどすえ。押し倒すぐらいの勢いで行きなはれ♪」


「お、押し倒すなんてそんな!」


当のキョウスケはマイペースにポットでお茶なんかを淹れていて、このおっそろしい会話が全く聞こえていないみたい。


知らぬが仏ってこのことを言うんだろうな…



――――

――


「朔羅ちゃんの浴衣、ええもんやね。仕立てもしっかりしとるし」


浴衣の前を合わせながら鈴音姐さんがまじまじと浴衣を見つめる。


「ありがとうございます。これ、母のなんです…」


「ああ…龍崎はんのお姉はんの…」


鈴音姐さんは目を細めて、それでもその色っぽい唇に温かい微笑を浮かべている。


さっきから……鈴音姐さんが動く度、間近で感じる姐さんの大人っぽい上品な香りが動いて、何かドキドキする…


それは母さんの香りに似ていて―――大人の女の人はみんなこうゆう上品な香りがするのかと想うと、ちょっと緊張して…でもすごく心地いい。


ほんの少し……母さんを思い出して、あたしは何だか嬉しかった。




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