。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしの憤慨を響輔は気にしたりせずに、またふいと顔を戻す。
その飄々とした態度に、またもムっときて、あたしは腕を組んだ。
「あんたなんてあの変態大狼の餌食にされればいいのよ!」
響輔がこっちを見る。その顔は歪んでいて、怒りのような、怯えのような…とにかく一言で言い表せない複雑なものが浮かんでいた。
なんか……あたしちょっと勝った??
そんな言い知れない優越感もすぐに終わり。
響輔はいつものように表情を拭い去り、
「あんた、大狼さんとはどうゆう知り合いや」
と聞いてきた。
「どうゆうって…鴇田の舎弟でしょ?事務所に行くこともあるし、顔合わせることぐらいあるわよ」
そっけなく言うと、
「ふーん」
響輔はどこか納得の言ってない様子で頷いて、またもあたしから視線を逸らす。
まぁあたしからしても大狼は良く分からない男。
朔羅と虎間 戒、そして響輔の写真を毎日持ち歩いて、「うさぎちゃんに、ヒツジちゃんに、それからヒヨコちゃん♪」なんて嬉しそうに写真を眺めている―――変態だわね。
試写会のチケットを欲しがってたからあげたけど。
「ヒヨコちゃん来てくれるって~♪うさぎちゃんとヒツジちゃんも♪♪」
嬉しそうに報告してきたあいつの顔を思い出すだけでうんざり。
「あっそ」ってな具合で適当に返してはいたけど。
「試写会に来る手間が省けたじゃない。聞きたいことがあったら何でも聞きなさいよ」
そう言ってやると、響輔は腕を組んだまま考える(フリ?)をした。
だけどすぐに、
「スリーサイズ」
と聞いてきて、あたしは目を開いた。