軽業師は新撰組隊士!



楓がお礼を言って、原田は「いいってことよ」と楓の頭をなでていると


「…、僕、つまんないです!取るのは土方さんばっかりですし!」

「あ゙ぁ゙?」

「つまらないから、違うの詠みます!」


なぜかキレた沖田。


「梅の花ぁー!一輪咲いても…」

「うぁぁああ!総司テメェぇええ!」


沖田と土方の鬼ごっこが始まった。

楓は首を傾げる。


「今の詩は…。」


何なんでしょうか、というと


「楓、知らない方がいいこともあるんだよ。」


と、藤堂に諭された。

(…知らない方がいいこと…なんだ。あの詩は)

楓はコクコクと頷いて納得した。


「ま、読み手が読める状況じゃねぇし、…解散すっか。」


原田がそう言って
百人一首大会は終わりになった。

沖田と土方はしばらく鬼ごっこを続けていたらしい。


楓は
もらった札を手で持つ。



それから、
事が動いたのは、二週間後のことだった。



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