軽業師は新撰組隊士!


親父さんが俺に訊く。


「与える寿命は?」

「俺の寿命の半分。」


そうしたら、一緒に死ねる。


「与える方法は?」


今度は俺から訊くと


「…口付けじゃ。」

「そうか。」


俺は、楓の顔にかかっている髪を、撫でるように退けて


「楓…。」

「……はい。」

「一緒に、生きよう。」

「……はい。」


口付けを、した。

すると、
一瞬、楓の身体が発光したように見えて


「――――あ。」


さっきまで弱っていたのが嘘のように、血色がいい。


「あ、あの…。」


上半身を起こし、おどおどと俺を見上げてくる楓を
俺は嬉々として抱きしめた。




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