軽業師は新撰組隊士!
「巻き込みたくなかったんじゃろう。なぜなら、助かる方法はあるからじゃ。」
親父さんの言った言葉に、俺は反応する。
「その、方法は…?」
親父さんは一回頷いて話し出す。
「うむ、誰かが、楓に再び寿命を与えることじゃ。」
ゴクリと、唾を飲む。
そうしたら助かるのか?
「やるか、土方?」
「やるさ。」
当たり前だ。
そう言って肯定すると、
「……ダメ、ですよ。土方さ、ん。」
楓が、弱々しく俺の手を握る。
「巻き込みたく…、ないん、です。生きて…生きて下さい。」
「嫌だね。」
「な、んで。」
俺は言ったはずだ。
お前と生きたいと。
俺は不敵に笑う。
「お前は『巻き込みたくない』というが、俺はお前を好きになった時点で巻き込まれてる。」
俺だけ巻き込まれてるなんて、癪だろ?
「今度は、俺がお前を巻き込んでやるんだよ。」
お前に寿命を与えて
俺の我が儘にお前を巻き込んでやる。
そう言えば
楓は泣きそうな顔で微笑んだ。