軽業師は新撰組隊士!



しかし、
魅せられる。



楓の動きに、
雰囲気に。


――――葉が舞う。



こんな場所にある木だから、どことなく荒々しく見えていた木なのに。


楓がそこで芸をすると、木すら雅やかに見える。





そして、
楓が地面にフワリと着地するとき



「……いま、羽が。」


誰となく呟いた。


みんなの目には、楓の背中に羽があるように見えた。




―――魅せる。


それが、楓が“天才”と言われる由縁だった。






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