軽業師は新撰組隊士!


――武士の始まりとは


自らの土地を守るために、境を武装して見回る開発領主と呼ばれる農民だ。

今は
“一生懸命”と言われているこの言葉も、
元は
“一所懸命”という言葉が変化したものだ。


“一つの場所を守るために命を懸ける”


それらを有言実行してきた結果、武士が誕生した。


「武士」とは本来、戦い、相手を傷つけるものではなく、守ることを意味に誕生した。


――今の時代に武士はいねえと思っていた。

自らの意見を突き通すために戦う奴らを「武士」と呼びたくなかった。


だがしかし


刀こそ持ってはいねぇが
あの女は「武士」だろう。


日の本の国も
まだまだ捨てたモンじゃねえな、と思い
俺は女と反対の方向へ進み出した。




【彼女は刀を持たない武士になる】




(きっと彼女は
俺が生涯出会う中で
最も強い武士だろう。)





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