軽業師は新撰組隊士!
土方は嫌そうな顔をしつつも、頷いた。
「しゃねーな。本来女は隊士として雇わねーんだが……。」
ガシガシと頭をかいて、それから鋭く強い目で楓を見て、言う。
「聞け、楓。お前は今から、例外で、この新撰組唯一の、女隊士だ。」
「……はい!」
楓の返事に、土方はフッと微笑み、楓の頭を撫でる。
「だが、頼れよ。耐えて、ため込んで、いっぱいになった時は……俺ん所に来い。」
「はい。ありがとうございます。」
そんな、ほのぼのとした空気の中。
「トシ?何してるんだ。」
威厳があり、朗々とした声が響きわたった。