軽業師は新撰組隊士!
土方と楓はホッと息を吐く。
「ありがとな、近藤さん。」
「ありがとうございます。」
「いやいや、困っているなら助けるのが常識!それが若いおなごなら尚更だ。」
にっこり笑う近藤。
急なことにも動じず、悠々閑々たる態度は、流石は局長。といったところだろう。
「……あ。」
楓がポツリと声を洩らす。
「なんだ楓。どうした。」
「いや、その……。お父さんは、…どうしましょう。」
楓がそう言うと、土方もハッと気づいた。
「そうか…。あの親父さんか。」
「ん?なんだ、トシ。どうした?」
近藤さんがそう尋ねたとき
「どうした。呼んだかの?」
克が、襖を開けて部屋に入ってきた。