素直になれば

ポン。



一瞬だけど、先輩があたしの頭に手を乗せた。




きゅん。
やっぱりあたしの心は反応した。




「心配すんな。俺はそんなに弱くねぇよ?」



チラッと先輩を見ると、口ではそう言うけど、やっぱり眉は少し下がっていて、寂しそうに見えた。

スキな人との別れだもん。
辛いに決まってる。
寂しいに決まってる。




「…っ。…でもっ!寂しいときは誰かに寂しいって言わないと…。ぢゃないと、余計にっ!」





「ぢゃあさ?」




あたしの言葉を遮って、逆井先輩は悪戯な笑みを見せた。



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