素直になれば

里愛ちゃんはいつも通り、まるで医者のように、「これは痛いですか?」なんて調べながら、少し複雑なテーピングをする。





「今日……話せましたか?」





「えっ?」






「沙那さんと。」




少し驚いた俺に、顔を上げずに、里愛ちゃんはそう訊いた。






「…まだ。昨日の今日だしな。」






「そうですか。」





今まで顔を上げなかった里愛ちゃんが、パッと立ち上がって顔を上げた。





「ちゃんと話せるといいですね!テーピング、完了です♪」




里愛ちゃんは、相変わらず幼くて可愛い笑顔を見せて、秀のストレッチなの手伝いなどをしていた。



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