Яё:set



どの部屋にもロックがかかっていて開かない。



そして廊下は人一人おらず、この階には誰もいないのではないかとさえ思えてきた。



私はエレベーター脇の非常階段から上の階へ移動した。



微かに話し声が聞こえる。



「・・・が良くないらしい・・・って言って・・・」



「ああ・・・新薬が・・・明日“シン”に・・・」



よく聞き取れないが“新薬”という単語に嫌な予感がした。



そして“シン”という言葉が引っかかった。



確か知的障害の少年の名前も“シン”だ。



やはりここに監禁されているのか・・・?



「・・・“シン”のシステムが・・・」



「実験では・・・」



断片的に聞こえてくる単語単語をつなぎ合わせると、“シン”が何らかの実験に関与しているのは確実だと思えた。







< 133 / 146 >

この作品をシェア

pagetop