Love Box:)
(…な、んで貴方がここに居るの)
(…こ、こは、どこ?)
振り返った視線の先にゆらり、ロウソクの光に照らされて気怠げに立つその姿。
それを目にした途端、私の頭に発生するリアリティを伴った無数のハテナマーク。
『い、井上っひゃん』
「…声、裏返ってるけど」
(…ヒ、)
恐い。恐い。暗闇に浮かぶオレンジ色に照らされて温かい筈の井上さん。
驚いて思わず叫んだ私にポツリ、静かに吐き出されたのは冷たい一言。
「あー…。待ちくたびれたよ。水、飲む?」
(…ハ、?)
面倒臭そうに片手で首筋に手をやって、視線はあさっての方角。
え、私の方みてよ。せめてこの状況を説明してよ…。
焦る私ばかり視線を泳がせ、じわり、冷や汗をかく始末。
「はい、」
手渡されたのはクリアコップに入ったミネラルウォーター。
それを押し付けるように私に差し出すと、すとん、ソファーに寝ていた私の下に腰を下ろす。