Love Box:)
『…な、なんなんですか?これ(状況)』
「何って何が」
(…だから、恐いです、って)
え、あれ、井上 達矢って凄く紳士な御曹司様で大学の注目の的で………
さっきまで凄く優しくて…。
(…なんか、さっきと違う?)
『わ、私は…どうしてここに居るん、ですか。どこですか、ここ…』
「俺のマンションのひとつ」
相変わらず振り向かない井上さんは、完全にソファーに背を凭れたまま床に膝を立てて座る。
「アルコール、慣れてないんだな」
『…へ?』
「ワイン。三杯飲んで、倒れた」
(…あ、ちゃー)
身に覚えがないとは言えないそれに、ぎゅ、ワンピースの裾を握った。
紫色のワイン。紫色のワイン。
なんで、あんなに飲んだのか。
『すみま、せん…』
大好きな人の前で、こんな失態。
しかも4つ年下だというのにお酒で粗相、ますます子供に見られてしまうじゃないか。
こんな、自宅にまでお世話になって爆睡して…
(…あぁ、だから)
だから、さっきから井上さんの態度が打って変わったように冷たいんだ。
私、幻滅されて、嫌われたんだ。
悔しくて、じんわり、目許に余計な膜が張った。