Love Box:)







蚊の鳴くような声で謝罪すれば、その後ろ姿は何も、言わない。

言外に拒絶されているようで、胸にせり上がる何かに肺を押し潰されそうだった。



(…なんで、私は、)



24になってまでこう、空回りなんだろうか。

周りを見れば、もう付き合って何年にもなる親友のカップル、早々に結婚した友達、

恋愛云々は別にしても人生の目標を立てて、それに向かって尽き進む格好良い女友達。



(…私は、)



不器用、なんて甘い言葉で済まされる年じゃない。

恋愛も、仕事も、何もかも中途半端で上手くいかない。

高校時代に医者になりたかった夢も、学費の問題で諦めた。



(…恋愛は、諦めたくない、のに)




「何で?」

『…っ、グス、え?』


感慨に疾る私を突然現実に引き戻すクリアな声。

ツン、とした鼻を慌てて啜った。




『何で、俺に会おうと思ったの?』

「それは…」



スキだからです。なんて、言えない。言えるわけがない。

だいたい5年も見知らぬ女に片想いされてたと知って喜ぶはずがない。















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