Love Box:)
『…井上、さん、』
「なぁ、香…。なにが?」
ふわり、落とされた甘い吐息と切なく掠めたられた声にドクン、鼓動が高まる。
『好き、なんです』
「、」
『…先輩、が』
「、」
『、』
ぎゅ、と両目を瞑って耳を塞いだ。見たくなくて、聴きたくなくて。
(…やめて、)
壊さないで。5年間の、私の想いを。ちゃんと諦めるから。今日で、終わりにするから。
(…崩さ、ないで)
『ずっと、好き。だから逢いたかったんです。一度だけでも見て欲しかった。話したかったんです』
「、でも、俺は…」
『大丈夫、です…!』
彼の言いかけたその言葉の続きを聴きたくない。死んでも聴きたく、ない!
掴まれた両肩の手を払って、精一杯の笑顔を作った。
『井上さんの気持ち、ちゃんと分かってますから。…だから、』
「、」
『もう…、言わないで』
(…惨め、だ)
必死で笑顔を造ったって、震える声と歪む視界で台無し。強がっているのはバレバレだ。