イマージョン
ケーキ屋の忙しさとは、比べ物にはならなかった。
店長が、
「うちの店、忙しいけど大丈夫?」
と言っていた言葉に対して安易に答えてしまった自分を恨む。

それでも、今まで嫌な事があると、すぐ辞めて来たバイトだったけれど、きっと何処で働いても同じだな。と、考えが変わっていた。だから辞めなかった。

それに耐えるけれど、過食は止まらない。

早く、夕方の休憩にならないかな。
お菓子が食べたい。品出ししながら、美味しそうな、お菓子を物色しながら仕事をするのも日課だ。
今日は、この紅茶味ビスケットにしよう。もう目星はついた。

お菓子も一気に食べる。そして一服して一安心。
休憩時間を過ぎてもダラダラしてしまう。
あぁ…下に降りたくないな。煙草が2本3本と増えて行く。でもいいや。社員の山下さんも喘息持ちなのに、休憩時間でも無いのに、しょっちゅう煙草吸いに上がって来るし。と、得意な、自分に言い訳をしていた。
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