高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



店員が若菜達の席へ行くと、血相変えた表情で食べかけの料理を見せつけられる。


「これ。このファミレスは料理にこんな不衛生なもの混入させて出すわけ?」


「え、睫毛(まつげ)……眉毛?でしょうか」


「睫毛よ、途中まで食べてたら中に入ってたのよ。どうしてくれる気?」

「申し訳ありません。直ぐに新しいのと、取り替えてきますので……お待ち下さい」


店員は小声で謝罪し、睫毛が混入していた料理の皿を若菜から受け取ろうと持つが、若菜は離さない。


「ふざけんじゃないわよ、こっちは楽しく食事してんのに台無しにさせられたのよ?上に乗っかってるのも嫌なのに中に混ざってた、気持ち悪くて吐き気がするわ」


マシンガンのようにまくし立てる若菜に対して、弱気な店員は頭を下げ続けることしかしない。


「申し訳ありません、申し訳ありません」


「謝って欲しいんじゃないわよ、精神的苦痛を味わわされたんだから全ての代金チャラにしなさい。そうしたら大事にはしないわ」


「代金チャラって……それは流石に……出来ません」


「何よ、警察呼んで欲しいわけ!みんなも何か言いなさいよ」


途中までは上手くいった。順調だったのに、予想外な店員の返答に若菜は言葉を詰まらせる。


浩人達は、若菜に加勢する前に身体が固まっていた。


「そこまでにしとけ、小僧共」


厨房から帰ったはずの前田と柿田が姿を見せたからだ。


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