高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



高橋美紀は優等生と言われるのが酷だった。常によい子を演じ、親や教師の期待に応え、後輩に憧れる存在を続けることが苦痛で仕方なかった。


無理に入れ続けた優等生メモリーは、何れ必ず容量オーバーでエラーする。


高橋美紀自身も、唯一の男友達で片思いの日比谷尚輝に、悩みを打ち明けようとした矢先だ。


日比谷尚輝は美紀同様、溜まったストレスが万引きの方へ爆発してしまった。


美紀が最もショックを受けたのが万引きをした事実ではなく、尚輝の悩みに気づいてあげられず相談もされなかったこと、そして自分を優先してしまったことだった。


尚輝には悟られないよう元気づける為、笑顔で接していたが、教師の中澤には見抜かれていた。


中澤は尚輝のサポートと同時に、美紀のサポートもしていた。


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