高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



「うらっ!」


「あー惜しいっ外れ!」


二階堂達、男子は主にサッカーボールで美玲目掛け蹴る。10メートルぐらいから蹴るので当たる確率は五分五分、あくまでも楽しんでいた。


名雲達、女子はバレーボールでサーブを打つように美玲目掛け放つ。


美玲は拳を握り締め、歯を食いしばり、身勝手な彼等の“遊び”を受け続ける。逃げようにも一方通行で不可能。


時間が経つにつれ、
過激化する――。


「そろそろ飽きてきたな。結局悲鳴も泣くこともしなかったが、こんだけやればもう来ないだろ。疲れたし、帰ろうぜ」


二階堂が引き上げようとすると名雲が制止する。

「甘いよ浩人、これまだ使ってないじゃん」


「え……でもこれは流石にヤバくないか?」


名雲はボールの中で最も硬い硬式野球ボールを握った。


野球ボールを本気で投げれば素人でも、いや素人だからこそ怪我では済まないことになる。二階堂らは大事にならない程度に境界線を引き、イジメを行ってきた。


人は欲深い生き物。
飽きればさらに
刺激を欲する、
欲望だけが暴走すれば
取り返しがつかない。


「やれよ、じゃないと次は浩人もただじゃ済まないよ」


二階堂浩人は名雲若菜からボールを受け取り、5メートルまで近付く。



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