高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



二日前、俺はジャーナリストと名乗る男、遷崎徹に出会った。


居場所を無くした俺を相棒として受け入れ、尚且つ住む場所も提供すると言われ、正直信用出来なかった。


『真実だけを記す』なんて大層なことを口に出来る奴は、どうせいざとなれば権力の前に屈するだろうと思っていた。


だけど、公園で寝泊まりするよか幾分マシなのも確か。当分は何もする気が起きないから、バイトして金貯めて一人暮らし可能になるのはいつになるか。


もう別に失うものが無いと思えた俺は、この男と暫く行動を取ることを選択した。


遷崎の案内で辿り着いた場所、自由化マンション。


「まあ当面の間、オレと住むことになるな。じゃ入るか」


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