高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



遷崎は桐生善三が詐欺事件に関与している疑いがあるといち早く情報を掴み、美玲に接触を試みた。


遷崎が桐生美玲が自分の実の妹であると知ったのは彼が27の時、ジャーナリストとして働いて実家で資料を探していた際に偶然見つけた手紙が切欠だ。


美玲が見つけた手紙の送り主と同様で母親からのもの。遷崎が今まで両親として接した2人は全く血が繋がっていなかった。


本当の母親は父親と離婚し、仕事関係でアメリカでの生活を余儀なくされ、子育てが困難になった。実の父親の居所も知らない。


日本で仕事をした時の同僚が遷崎の育ての親、息子より仕事を本当の母親は選んだ。


遷崎自身は物心ついていない時に手放されたため、今の両親が血の繋がった家族だと信じていた。

一番遷崎の心を痛めたのが、自分に妹が存在し、桐生財閥の養子縁組として養子になっていたことだった。


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