*王様*
なぜ正義感と言うものが彼らの心には存在しないのだろうか。
世の中には「善人」「悪人」と、なってしまうのだろうか。表と裏。二つが仲良くはできないのだろうか。
「ねえ。君って、〃廣田ミツキ〃だよね。君って女?」
小さな声に呼ばれて、ミツキは後ろを振り返った。そこには、小さな男の子が立っていた。
「君は誰?・・僕が廣田ミツキだけど・・それに僕は男だよ!」
もう怒るきもうせてしまった。切れるのも疲れてしまった。だけど、怒りを込めていった。
「ふぅ~~ん。女みたいだけど・・・男なんだね。」
この子は今何を考えたんだろう。この子の考えていることはなんだかんだでよく分からない。今何を考えているのか、全く想像がつかない。
「・・ミツキ・・今、〃僕が何を考えているのか分からない〃って思ったでしょ。」
「カイ君!僕が考えている事が分かるの?。」
男の子は小さく首を振った。
「君の名前は?」
「棗・・棗カイ・・棗カイっていうの。」
棗カイか。いい名前だな。この子にぴったりの名前だよな。
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