空っぽなあたしとヤンキーな彼

―数日後―


「あなたの名前は?」
「神楽…未来。」
「生年月日は?」
「1995年12月25日…」


あたしは、数日経ってから自分のことを教えられた。
頭部の傷も少しずつ治っている。




「…うん、大体落ち着いてきたね。明後日には退院できるでしょう」
「本当ですか?」
「ただ、この先…彼女の記憶が戻る可能性は低いです。」
「…――――」




あたしは無事退院できた。
空っぽの身体に、人形のように頭に自分のことを叩き込まれて。

「ねぇ、未来。」
「…何?」
「お父さんと話し合ったの。新しくやり直そうって…」



話の内容は新しい場所へ引っ越すことと転校の話だった。
確かに記憶のないまま昔の友達と今まで通りにはいかないだろう…
そう考えた私は、2人の話に賛成した。

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