Don't a hero
しばらくすると、あの森に到着した。
「さ。行こうか。」
隆さんは立ち上がり、車を出る。
俺もそれに続いて車を出た。
不気味な森を抜け、洞窟を抜け、また真っ白なカウンターにたどり着いた。
「お帰りなさいませ。もう皆さんは揃いのようですよ。」
前に来たときと同じ女性がカウンターに座っており、無表情で隆さんに会釈する。
「ただいま。う〜ん…。ちょっと遅れたかな〜?」
隆さんは少しイタズラな笑みを溢しながら頭をポリポリかく。
「よし!行こうか。」
エレベーターのドアがスライドし、俺達は乗り込んだ。
「賢吾くん!練習に、“GL 5F”のボタン押してみな。」
「あ…はい。」
『えーっと…。“GL 5F”………。』
「あ…。」
俺はボタンを押した。
エレベーターは音も立てずに素早く上に上昇した…。
「うん!全然早かったよ。ボタン見つけるの。俺も最初は苦労したよ〜。まぁ、これも慣れだから。」
隆さんはニコッと微笑んだ。
そして、目的の部屋にたどり着いた。