僕らの瞳にうつる世界。
お母さんの足音が遠くなる中、部屋に響き渡るケータイの着信音。
…明日香からだ。
「もしも…」
「もしもし!?結衣!?」
「う、うん。どうしたの?そんなに慌てて」
激しく興奮したような声。
…不意に1年前のあの日を思い出した。
「あのね、落ち着いて聞いてね?」
「………」
明日香の言葉を聞いた瞬間、あたしはケータイを床に落とした。
――う、そ?
そしてハッとして部屋を飛び出した。
「ちょっと結衣!どこに行くの!?」
「…っ……」
お母さんの言葉を無視して家を出る。
嘘でしょ?
嘘だよね……?
ねえ、そうでしょう―――…?