僕らの瞳にうつる世界。


「この前敦の一回忌でお前を見た時、めちゃくちゃ驚いた。でも直ぐ分かった。結衣が敦の恋人だって。

そん時に本当の過ちに気づいたんだ。俺の歌が敦を殺して結衣まで殺そうとしたってのに、俺は歌い続けてた。

…俺はもう歌わない。さっきので最後」




ぐるぐる。回る廻る。

16年生きて来たけど、こんな感情知らない。




「…俺達はそばに居ちゃいけないんだ」




苦しい。

呼吸が上手く出来ない。



「それでも、記憶をなくしたまま居れば結衣のそばに居れるかなとか考えて…。本当はもっと誰よりも先に思い出してたのに」



自嘲して話す彼。

真実を知らなければ、嬉しいはずの言葉たち。








「俺を許すなよ、絶対に」








先輩が好き。

でも、なんか――――…





























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