僕らの瞳にうつる世界。

最終章‐僕らの瞳にうつる世界は‐



苦しいの、生きることは。

だけどあなたが居たから、あなたが歌っていたから乗り越えられた。



――あたしとあなたが出逢った事に理由があるとすれば、それは一体何?




「…そうだったんだ」


「うん」



昼休みの教室。


明日香に先輩から聞いたことを全て話した。自分じゃ、どうすればいいのかわからなかったから。


あの話を聞いてから3日。



許すなと言った彼。

そばにいちゃいけないと言った彼。


…そばに居たいと言った彼。



先輩の言葉全部があたしの心を乱す。


そんな彼は昨日退院したけれど、会いには行かなかった。行けなかった。



「でもさ、光が本当にあっくんを殺したわけじゃないじゃない」



うん。そうだよ。


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