それでもあなたに恋をする
それから、山口君はたっぷりのキスで力の抜けた私を抱き締める。
ここはマンションの廊下。
私は山口君の上司。
必死になって自分に言い聞かせるけど、どうしても離れられない。
ううん。
違う。
心地いいの。
山口君の腕の中が温かくて、幸せなの。
「雅さん。お願いです返事を下さい。」
「……私は、山口君の上司…なの。
だから、やっぱり駄目。」
震えそうになる足に力を入れて、そう告げる。
「じゃあどうしてキスも抱き締める事も拒否しないんですか?!俺の事、馬鹿にしてるんですか?」
切羽詰まった声でそう叫び、傷ついた様な瞳で私を見つめる。