君に触れたくて…




ギュッ



あたしは離れたくなくて、強く抱きついた。


離したらもう二度と…、あなたを好きと言えなくなる気がしたから…




「夢を見たの」



あたしは夢の話をした。



勘違いかもしれないけど、理音があたしにキスをしたような気がするの。




「キス…した?」




思い切って聞いてみた。


黙っている理音。


違ったんだ…
でもどうしよう、
このまま引き下がれないよ…。




「…すき」




大好きなの。
本当に大好き…



あなたがあたしを好きじゃなくても
あたしはあなたが好き。



「好きだ」



うそ…



「え…」



好き…?
あたしを?



理音があたしを強く抱き締める。



夢じゃ…ないよね?
夢ならば…どうか覚めないで…



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