君との出会い~奇跡がある限り~
葬式 side亜美
私は目の前の遺影をみながら、珪奈ちゃんのことを考えていた。
小さいときから軽かったけれど弱かった心臓。
兄弟がいない私にとっては、珪奈ちゃんは妹のような存在だった。
だけどここ最近で心臓が、急激に弱り始めて…
私達がそれを聞きつけて病院に駆け込んだときは、もう遅かった。
その数分前に珪奈ちゃんは、亡くなっていたんだ。
私には、自分がとても情けなく思えた。
自分の事ばかり考えて、せっかく連絡してくれた叔母さんたちのメールにも気づかなくて…
もっと早く気づいていれば、そうしたら私達は生きている珪奈ちゃんに会えたのかな?
そう思って、後悔してもしきれなかった。
私達が、駆けつけたときは珪名ちゃんの部屋は、綺麗に片付いていた。
慶介が言うには、もっとたくさんの機械があったらしい。
『それでは、故人に最後のお別れをしてください。』
誰かがそう言った。
私達は棺おけの中にいる珪奈ちゃんの顔を覗き込んだ。
きれいな整った顔……きっとお母さん譲りなのだろう。
つやつやした、長い髪の毛は、花に埋もれて見えなくなってしまっていた。
そして、かすかに微笑んでいて…まるで眠っているようにしか見えなかった。