GAP-Girl×DJ-

「えっ!?ヤるって何を・・・ですか?」

恐ろしい質問、よくできたもんだ。

答えが怖かった。


「・・・は?お前何言ってんの?(笑)コレ、聞いてみなっつったんだよ。」

「・・・え」


あたしのパニクる頭の中で、空耳が聞こえたのだろうか。

いっちゃんは手に一枚のCDを持っていた。


「これ、俺が初めてAK034とフィーチャリングした時のCDなんだよ。」

「あっそうなの?じゃあこれは記念のCDだね!」

「おー!これお前にやるよ。」

「え?!いいの?!」

「ああ。まだ俺一枚あるから。」


予想外のプレゼントだった。

すごくすごく嬉しい。

裏のパッケージを見ると
《○○○ feat.STAR-ACE》
そう書いてあった。


また胸の奥が痛い。

まじまじと現実を突きつけられたような気持ちだった。


「ありがとう!!毎日聴くよ~!」


きっと毎日いっちゃんの声を聴くたびに、あたしの胸は痛むだろうな。


でもあたしがいっちゃん本人にCDをもらったというのは紛れも無く、事実。


少しの痛みと少しの優越感で、あたしは緊張が溶けたみたいだった。
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