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放課後になり、いよいよ部活の時間。
今日の練習は、グラウンドでダッシュ10本からだ。
昔から、走るのは嫌いじゃない。
7月の日射しを浴びて、汗だくになりながらこなしていく。
タオルを片手に、汗を拭う。
瞬間に、強い風が吹いた。
手から滑り落ちていったタオルが、宙を舞い、グラウンドの中心の方へ飛んでいった。
「……おっとっと……」
飛んでいったタオルを拾おうと、グラウンドに駆け寄る。
「避けなさいっ」
慌てた、低い声に驚いた。
陸上部の顧問の先生だった。
その声に呆気に取られていると、目の前をひとりの人が駆け抜けていった。
「……あっ……」
今朝の、綺麗な男の子。
ザッ、ザッ、ザッ……
そのフォームは、崩れることがなく、あっという間に通り過ぎてしまった。
走る音だけが、いやにリアルで、今まさに、動いているのは彼だけで、周りの景色はすべて止まってしまっているようにさえ感じた。
「……顔だけじゃなくて、走る姿も……」
綺麗なのか……。
そう思って慌ててタオルを拾って、練習場所まで戻った。