この世界にいる誰かへ
仮面と鳥籠
私は鳥籠の中で綺麗に座っている。

ただひたすら大人しく口を閉ざして。

綺麗なままに…。

愛でられる。

仮面を被った籠の鳥。

歌わない鳥。

翼があるのに飛ばない鳥。

翼の使い方を忘れてしました鳥。

仮面の下は…。

もう忘れてしまった。

真実は隠して…。

ただ口を閉ざして…。あれはいつの間にか壊れてしまった。


歌わない鳥はただの置物。

歌わない…。飛べない鳥はいないのと同じ…。

風に恋をして…。

月に願って…。

それでも飛べない鳥はただの置物。

いつから?

仮面を被った偽りの姿は…。

何を待っているのか

飛びかたを忘れてしまったから

闇の仮面を剥がしてくれる何を待っていた

歌わない鳥は鳥籠の置物。

飛べない鳥はただの置物。

仮面は偽りの姿。

闇の世界しか見えないの。

光の美しさがわかるけれど

偽りの姿では

だから仮面を剥がしてくれる何かを待っていた

仮面は真実を隠して

偽りの歌を聴かせるの

飛べない鳥籠の鳥






< 35 / 44 >

この作品をシェア

pagetop