それぞれのstory。
「どうぞ。」
心蒔の車で私のマンションまで戻って来て、心蒔にはコーヒー、私には紅茶を出した。
「えっと…何処から話したら良いかな。」
「何処からでも良い。
時間かかってもいくらでも聞く。」
心蒔は不器用ながら、そう言ってくれた。
「うん。
あのね…私には、高校時代付き合ってた人が居て。
彼の名前は香月 透琉。
透琉とは入学してすぐに廊下でぶつかって、その時一目惚れだったの。
だけど、私からはいけなくて。
だけど、委員会とか一緒になる事が重なってお互い惹かれて付き合い出した。
凄く、好きだった。
愛してたの。
高校卒業して、別々の道を歩き始めたけど、私達は続いてた。
なかなか会えなくて喧嘩もあったけど。
だけど、透琉は久々に会ったその日…私を車で家まで送ってく途中に交通事故で亡くなってしまったの。
即死だった。
私も半年ぐらい眠ったままで…目が覚めて透琉がもう居ない事に私は絶望したの。」
私がそこまで話すと心蒔は少しだけ顔をしかめた。
でも、話終わるまで黙って聞いてくれようとしてる気持ちなのを読み取り、私は話を続ける事にした。
「私も…死のうと思った事だって何度かあったの。
だけど、パパや歩、友達の莢だって止めて、支えてくれた。
だから、私は生きてる。
リハビリして、透琉の実家に行ったけど、透琉のお母さんはやっぱり混乱してて、門前払いだった。
家族や友達に止めてもらって、私は死ねなかったけど、透琉が居ない世界を生きていくのは本当に苦痛だった。
ずっと私の時間も透琉の亡くなった時から止まったままで、本当に何もなかった。
ただ、生きてるだけだったの。」
私は振り返りながら、そこまで話した。