それぞれのstory。


「パパ…今までいっぱい心配かけてごめんね。

守ってくれてありがとう。
支えてくれてありがとう。
大事にしてくれてありがとう。

私、ママは居ないけど、そんな寂しく感じた事無かったよ。

その分、パパが居てくれたから。


でも、ママの事も大好きだよ。
今まで育ててくれて、ありがとう。


幸せになるから。
もう大丈夫。」


ここは結婚式場のチャペルの入り口前…。

今日は、私と心蒔の結婚式の日。


私は今まで言えてなかった自分の気持ちを、パパに向けて伝えた。


これがお別れじゃないけれど、父娘じゃなくなるわけでもないけれど…。
今日からは心蒔と新しい家族を築いてくから。

感謝の気持ちを伝えておきたかった。



「何改まって言ってんだ。

心配するのも、見守るのも親だから、俺は何も不思議に思ってない。

それしか出来ないしな。


俺達の縁は切れない。
ずっと。


だから、いつでも困ったら頼れ。」
パパは少し目が潤んでた気がするけど、優しくそう言ってくれた。


そして、私が頷いて直ぐにチャペルの扉が開いた。

両サイドの椅子には、私や心蒔の家族、友人、同僚などたくさんの人が来てくれて…私とパパが一歩一歩ゆっくりと、心蒔の前に進むのを見守ってくれている。


たくさん、たくさんお世話になった人たち。


これからも、きっとお世話になるだろう。


私は前に進みながら、少しずつその人たちに何か返していければ良いと思った。




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