リフレイン〜3rd Season〜
「あぁ、お父さんなら奥に……あら」
「彩乃、客か?」
そんな話をしていると、奥から父が出てきた。
「なんだ、朱里か。どうしたんだ、今さら帰ってきて」
「ちょっと、あなた!」
お母さんは父の腕を掴む。
「……悪かったわね。ならすぐに帰ってやるわよ。今日はただ報告しに来ただけなの。あたし、この人と付き合ってるの。いずれ、結婚するつもりだから」
「おい、朱里…」
感情的になるあたしに、健太は落ち着かせようと肩を掴んできた。
「結婚、だと…?」
父は怪訝な表情をした。
まるで“何を考えてるんだ”とでも言うように。
「何よ、用件はそれだけ。じゃあ帰るから」
「待てよ、朱里!」
「朱里!」
お母さんと健太があたしを止めに入る。
だって……これ以上ここにいたら、健太が嫌な思いをすることになる。
それだけは、絶対に避けたい……。