どうしょうもねぇくれぇ、好き。





「もう止めとけ。」



「あ。」



「ん?どうした?瑞季。」



「私、あそこの店でお昼食べたい!」




瑞季が俺の髪の毛から手を離してカフェらしき店を指差す。




え。待て待て。



お昼はぃぃ。そこで食べる事にする。分かった。でもよ、その前お前何した?



瑞季、さっき…




「俺の抜けた髪の毛を手ではたいて捨ててただろ。」




大量に抜けてた俺の髪の毛を地面に落としたよな。




「え?うん。なんか渉、すっごい髪の毛抜けるんだね。


まさかあんなに抜けるとは思わなくてビックリしたよ。」



「俺も初体験だよ。」




何もなかったように至って普通に喋る瑞季を目を見開いて見る。



てめぇ、マジで髪の毛が俺の頭に愛想尽かして一本も無くなったらどうしてくれんだ。




そんな思いを込めて瑞季の目を見る。




「まぁ、お昼食べたら苛々なんて無くなるよ!」



「苛々の原因は瑞季だあぁあああ!」





【俺の彼女は時々困った奴になる。】




今日、瑞季の隠された本性が見えた。




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