どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「でもさ、違ったんだよな。」
今まで上を見上げていた長原が床を見る。
「俺を好きじゃなかったんじゃなくて、俺を好きだからやったんだよな。」
「…。」
…意味が分からねぇ。
さっきの言葉の意味を聞きてぇけど
口を挟んだらまた色気攻撃が飛んでくるから無駄に口を挟めねぇ。
仕方なく、ジッと長原が口を開くのを待つ。
「俺の事をさ……試したかったんだってよ。」
暫くの間を空けて口にした長原は俺が見た限り泣きそうな顔をしてた。
「…曖昧な関係が嫌だったって…。ハッキリさせたかったって書いてあったんだ…。」
「書いてあった?」
しまった、と思って口を塞いだ時にはもう遅かった。
長原がこっちを見ていて。
「俺の好きな女、去年の夏に事故で死んだんだ。」
サラリと
言い放った。