どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「…。」
予想外の言葉に返す言葉が見付からねぇ。
死んだ?
去年の夏?
「…何で、死んだんだ?」
聞いてもぃぃのか迷ったけど、
聞かなくちゃいけねぇ。
何故か、そう思った。
俺の言葉を聞いた長原は少しだけ悲しそうに笑って
「そん時に付き合っていた男の車に乗ってた時に死んだ。
男は酒を飲んでいたらしい。酔ってて意識がハッキリしてなくて…。
信号無視で電柱にぶつかって二人とも即死…だってよ。」
相変わらず俯いて話す長原の肩は震えていた。
「……ぃぃよな。そん時の男はよ。鈴奈(れいな)と一緒に死ねたんだからよ。」
鈴奈、とはその時の女の事だろう。
長原がクシャリ、金色の髪の毛を握る。
「俺が鈴奈を離さなかったら、死ななかったんだ。
そう思うと、未だにどうしようもなく泣けてきて…っ、」
長原が、泣いている。
声を押し殺して。