どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「でも、鈴奈の両親が頭を下げ続けるんだ。
頭を上げて下さいって言っても、ありがとうございます。ありがとうございますって。
金髪の男は私をとても大切にしてくれるって優しく笑って言っていたって鈴奈の母親が泣きながら言ってきたんだ。
アイツ、なんか高校の時に酷く荒れてたみてぇで。全然そんな話聞いた事なかったから驚いて。
でも、大学でそんなの感じさせられないぐらい更正したって鈴奈の父親は喜んでた。これも俺のお陰だって。
信じられねぇけど俺は鈴奈に少しは役に立ててたみてぇだって、そん時気付かせてくれた。
でも、それって俺が髪の毛を金髪にしてたから分かった事だろ?
そう思ったらすげぇ奇跡だって思って。
でも、よく考えてみたら俺の髪の色が好きって鈴奈が言ってたから大学の先生に
派手すぎだ、もっと暗くしろ
って言われても、鈴奈が死んでからも髪の色を変えなかった。
そしたら鈴奈の両親に逢えた。…だからこの髪の毛、未だに変えれねぇんだ。」
髪の毛を触りながら長原が優しく笑う。
本当にその鈴奈っていう女が好きなんだなと感じさせられた。