どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「俺、お前等が仲良く大学に登校してくる処見たんだよな。しかも、この前階段下でキスしてたろ。」
「見てたのかよ。」
階段ってあの時じゃねぇか。
はぁー……。
やっと出たため息が長い。
「でも遠藤にキスマークを見付けた事がねぇから付き合ってねぇと思った。」
「でも、見えねぇ処に付ける可能性だってあんじゃねぇか。」
「でも、遠藤って嫉妬深いだろ?
なのに一番ライバル減らせて見せつけれる首筋に付いてねぇっていうのがおかしいな、と思って。」
「…。」
開いた口が塞がらない。とはこの事だと思う。
コイツ、計算しすぎて怖ぇ。
俺と瑞季の関係を計算で出すな。計算で。
ブルブルと鳥肌が立った真似をすると長原がフハッと笑った。
「大袈裟。」
「お前の計算が怖ぇんだよ。」
キッと睨むと長原は
分かりやすいんだって。
と言って目を細める。
「まぁ、他にヤっている男が居るっていうのを遠藤に言われたんだとしたら本気にしねぇ方がぃぃ。」
ポンポン、と俺の肩を二回叩いて長原が机から降りる。