どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「ヤったの?」
一瞬固まった俺を見て瑞季がフッと鼻で笑う。
「……可愛ぃ子だったし、渉に合ってるんじゃない?お似合いだったよ。」
ニッコリと笑う瑞季の顔がぼやける。
何で瑞季がそんな事を言ってくるのかが分からねぇ。
しかも告白しようと思ってる、こんな時に。
言葉を失う俺に瑞季は更に追い討ちをかける。
「そんなに女が必要なら紹介してあげようか?私は遠慮しておくけど。」
そう言って携帯を弄る瑞季。
携帯を弄る音が耳障りに聞こえる。
ゴクリ、俺の唾を呑む音が自分の体に響く。
「俺は論外って事か?」
「そう言ってるのが分からない?」
勇気を出して聞いた言葉はすぐに冷たい返事で返ってきた。
目の前が暗い。
視界が狭い。
頬に冷てぇ何かが伝う。
ポタリ、床に"それ"が落ちる。
それによって頬を伝っているのが涙だという事が分かった。
でもそのまま拭う事なく瑞季を見つめる。
瑞季はまだ携帯を弄っている。
そして、最後に
「私、中村と付き合う事にしたから。」
瑞季が俺を真っ暗闇に突き落とす。