どうしょうもねぇくれぇ、好き。
その指を辿るとさっき女に告られた場所で。
…まさか。
タラリ、悪い事はしてねぇのに冷や汗がこめかみから垂れる。
俺の予想が当たっていれば…
「さっき、見たのか?」
「見た。この目でハッキリと。」
…やっぱり…。
瑞季の言葉を聞いてはぁー…。とため息をつく。
予想は当たっていそうだ。
できれば当たってほしくねぇんだけどな。
そう思いながら瑞季を見る。
すると、何故か今度は怒っていた。
眉間に皺が寄っている。
唇を噛み締めて。
これは相当怒ってんな…。
やれやれ、と頭を振る。
瑞季は怒ると唇を噛む癖がある。
まぁ、本人は無意識でやってるから分かってねぇんだろうけど。
ややこしくなる前に誤解を解かねぇと。と口を開く。
そして言葉を発言しようとした時…
「あの女とは何処までいった?」
挑発的な、そんな声が右隣から聞こえてきた。
「…。」
俺の思考回路が一瞬、止まった。