スパイ・ハイスクール


「そこ、静かに。で、だ。ここで1つ問題だ生じる。

真希はソノ手の業界じゃ有名だろう? 北川、という名字だけでピンと来る奴も多いはずだ」


皆さん、お忘れかもしれないが、双子はお金持ちである。


「となると、真希を潜入捜査に使うのはハイリスクなんだよなぁ」

「言われてみればそうね。私と純希のおじいさまは顔が広いし」

「真希本人がそう言うんだ。間違いないだろう」


そう言いながら、奏の目線がちらり、と私に移動する。

冷や汗がたらり、と背中を直進する。色気の無い汗、再びである。


「つまり、奏さん。何が言いたいのでしょうか?」

「幸い、今は夏休みなのに、向こうは補習中。そして棗は部活もしてないし、補習もない」

「文系強化を教えてあげた俺に感謝しなよー棗?」

「黙ろうか、徳佐」


「さあ、皆に相談だ。誰が一番潜入操作に適してると思う?」

「「「棗」」」

「だね」

「だと思うわ」

「だよぉ」

「だな、決まり」


あの、これって会議......なんでしょうか?

「副理事長さんと、棗の保護者には話をとおしておくから、よろしくな!」

「え、ちょ、ちょ待てよおおおぉおぉおおっ!」


ずっと考え込んでて、いきなり会議って言い出したかと思えば、こういうことだったのかよ!

は め ら れ た !


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