スパイ・ハイスクール


あの後の会議(私は会議とは認めていない)の後にもいろいろと決まったことがある。

まず、タイムリミットは今から約1週間後の7月29日。その日までの補習が終わると、お嬢様方は海外だの別荘だのに行ってしまうらしい。

凡人にはついていけない内容だ。

そして、私への両親へは説得は奏が担当。

ちなみに、両親は私も奏も超能力をもっていることを知っている。スパイ活動については超能力を使って「人助け」をしている、と思っている(あながち間違いじゃないよね、うん)

そこで、だ。


「今回は困っている人を助けるために、棗さんを2週間だけ星凛女子高等学校に寝泊りさせたいのですがだめでしょうか...?............えぇ、そこの学園のほうで、非常に困っている方がいらっしゃるようで..。はい、その話を聞いて僕もなんとかしたい、と」

優等生、というのは時に便利なもので、小野寺奏からの電話で私の母は一発okを出したわけだ。

この猫かぶりめっ!

「寺西様?寺西様?」

「......ぃえ、?」

「もしやお疲れですか?それならば早く寮の方へ行きましょう」


ボーっとしていたせいか、目の前の人に心配をかけてしまった。

......そういえば。

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