俺様的レンタル王子~王子と私の関係~
「私は緒方です。緒方優衣です」
「緒方さん、か。僕の名前は、須藤修一だよ」
「はぁ。須藤さん、ですか」
「何年生?」
「私は2年です」
「僕は3年だから、一つ年上だね」
ふんわりと柔らかい話しかた。
穏やかな人なんだろうな。
「ケンカ、強いね」
「イヤ、そんな事ないです」
「見た目は普通だけど、ヤンキーなの?」
「ヤンキー!?違いますよ」
クスクスっと須藤さんは笑った。
「小さい頃から、空手と柔道と合気道、わけわかんないくらい習わされてたんで、イヤでも強くなりますよ」
「スゴいね…」
私だって、か弱い女の子になりたかった。
男の人にしっかりと守って欲しかった。
だから、普通の女の子のフリをしている。
「君のおかげで助かったよ。ホントにありがとう」
私は、こうゆう形で男の人に感謝される事で複雑な気持ちになってしまう。