龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
キスが深まった途端、志鶴が体を強張らせたのが分かった。

身を振りほどこうとしている。

雷より大きく、僕の中で心臓が鳴っている。


落ち着け

落ち着け

落ち着け

僕が焦れば志鶴は失神しかねない。


決して乱暴ではなかったが、しっかりと僕に押さえ付けられた志鶴はなすすべなく僕のキスを受け入れた。


しっとりとした大人のキスを


何度も何度も繰り返し


そのまま全てを奪ってしまいたかった。

でもそうするには、

小さく泣いている志鶴に無理強いするには、

僕は志鶴を愛しすぎている。


「ゴメン。少しやり過ぎた」

僕は泣いている志鶴の体を胸に抱き寄せた。
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