龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
急に激しい雨が窓をたたき付けるように降ってきた。

カーテン越しに空が光り、二拍おいて雷鳴が続く。

小さな悲鳴をあげて、志鶴が僕にしがみつく。

僕は静かに体の位置を変えて半ば志鶴に覆いかぶさるような格好になった。

それからそっと

本当にそっと

志鶴の悲鳴を飲み込むように口づけをした。


足りない


もっと だ


もっと君に近づきたい


僕は志鶴の顎に親指をあてて小さく唇を開かせた。


「僕を許して」
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