龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
ここのところ僕はずっと不機嫌で

『お手伝いさん達が怖がるから仏頂面はおやめ下さい』と和子ばあやに言われ

『熊みたいにウロウロ歩くのはやめなさい』と母に叱られ

『返事なのか唸っているのか分からないわ』と彩名に言われ通しだ


志鶴が電話をくれたらいいのに

せめてメールだけでも


僕が恋しいと言ってくれたらいいのに


「自分から電話すればいいのに」


大きなお世話だ

彩名に僕の気持が分かるもんか


ああ

まだこんな時間?

うちの時計って壊れてるんじゃないのか?


「電波時計だから正確よ」


じゃあ電波がおかしいんだろ


もしくは


僕の心が
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